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2013年12月18日 (水)

住民に秘密にした 被ばく薬剤の服用

原発から放射性物質が漏れると、安定ヨウ素剤を配って服用することが法律で決められています。

人が放射性物質を浴びると、放射性ヨウ素という物質がのどにある甲状腺にたまり、そこから放射線を発して、最悪ガンになるlことがあります。

そこで、有害な放射性ヨウ素を人体が取り込む前に、比較的無害な安定ヨウ素で甲状腺を満たしてしまえば、それ以上有害なヨウ素を取り込まずに済む、というやり方です。

もちろん、福島の原発事故の前も、安定ヨウ素剤の配布は決められていました。

ところが、県も国も、配布しません。その結果、住民は有害な放射性ヨウ素が降った時も、無防備な状態に置かれていたんです。

ただ3か所だけ、配布したところがあります。

原発で復旧作業に当たる作業員と自衛隊員。福島県の三春町。それと福島県立医大です。

なぜ国や県は安定ヨウ素剤の配布や服用の指示を出さなかったのか?

ごくいちぶ、副作用の懸念があるため、あとで責任問題になるよりも、県は何もしないことを選んだ。そう言われています。

三春町は、役場のスタッフが危機感を持ち、自主判断で住民に配布し、服用させました。

このとき福島県庁からは配布をやめるよう再三指示がきたそうです。最後は脅し文句ともとれるような電話の内容だったそうです。

有害な放射性ヨウ素の雲が三春町上空にやってきても、住民の安全を守るはずの薬剤を配らない、配らせない、飲ませない。それが当時の福島県の対応です。

いっぽう原発事故当時、放射線医療の中核施設として準備をしていたのが、福島県立医大です。

千葉にある放医研(放射線医学総合研究所)から専門の医師たちが派遣され、放射線に被曝した原発作業員や住民たちの治療をするため準備をします。

県に、安定ヨウ素剤の県民への配布を促したそうです。

ところが、いよいよ原発の爆発が起こっても、安定ヨウ素の指示が出ません。それどころか、放医研からは、ヨウ素剤の服用禁止、指示があった場合のみ服用という指示が来ます。

そして、服用指示は永遠に来ませんでした。

県立医大では、放射線の影響を理解する医師たちがいます。放射性物質がやってきても、いつまでたってもそれに対処しない。医師や看護師たちの中には、家族とともに県外脱出を考える人も出はじめたそうです。

そこで県立医大は、放射線医療に従事する医師や看護師、職員、その子供たちに安定ヨウ素剤を配り、服用させました。

「配布の事実は外に漏らさないように、と口止めがされた」(朝日新聞11月6日)

つまり、病院関係者だけに、秘密裏にヨウ素剤が配布されたんです。

みなさん。これを読んでどう思いますか。

県民の安全を守るはずの大学病院が、自分たちだけ薬を飲んで、それを内緒にしておく。許されると思います?

でももし、そのときボクが県立医大で同じ立場に立たされていたら。やっぱりそうしていたでしょう。自分と家族だけ薬を飲んで、あとは患者たちのために働く。

事実は外へ漏らさない。

だから、県立医大の職員たちを責めることはできない。

でも、のどにトゲが刺さってしまったみたいに、住民から隠れて大学病院だけに薬が配布されたことを、よしとするのには違和感があります。

県と国は、住民の被ばくを見て見ぬふり。三春町には服用させないよう脅しておいて、県の医科大では医師たちがこっそりと服用する。

これが、原発事故のとき、福島で起こった出来事です。

これが、日本の安全です。

なぜ、県はヨウ素剤を積極的に配布・服用させなかったのか。住民の被ばくを防ごうとしなかったのか。次のブログで、それを書きます。

山下俊一という医者が、それを止めたんです。


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