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2014年3月13日 (木)

福島県民は不快な存在なのか?

3月11日。東京では天皇陛下や安倍首相と共に、震災犠牲者への追悼式がおこなわれた。

その席上、追悼の言葉を述べた衆議院院長、伊吹文明さんの言葉が注目を集めている。

震災や復興、多くの人々が今も苦難の途上にあることはもとより、その大半の時間をつかって、原発事故のことを述べたからだ。

この追悼式で、追悼の辞を述べた政治家は、ほぼ全員が原発推進の立場でありながら、伊吹さん(自民党)は、脱原発発言までおこなった。

このことで、安倍首相の周辺から「不快感」が出ていると報じられている。

ならば、国民の大多数が反対する原発を、勝手に推進する“首相の周辺”なる人物たちは、どんな人間なのか。

なにより、今や脱原発を表明し、再稼働に反対する多くの福島県民も、彼らは不快に思うのだろう。

福島県民は、不快な存在なのだ。

そういう政治家たちに、ボクは不快を感じざるをえない。

同じ席で、安倍首相自身が述べた原発への言及はたったの30文字。

「原発事故のためにいまだに故郷に戻れない方々も数多くおられます」

中身も素っ気ない。だいいち、内容がない。

はんたいに、天皇陛下が述べられた言葉は、短いながらも心がこもったものだった。

「さらにこの震災により原子力発電所の事故が発生し、放射能汚染地域の立ち入りが制限されているため、多くの人々が住み慣れた地域から離れることを余議なくされています。未だに自らの家に帰還する見通しが立っていないことを思うと心が痛みます」

これから紹介する伊吹議場の言葉は、単に原発の是非を問うだけにとどまらず、ボクら日本人の生き方にまで言及する内容だ。その真摯な言葉に、ボクは感銘を受けた。

全文を読んで、今、ボクラが立たされているこの日本のことを考えてもらうきっかけになればと思う。

以下がその「追悼の辞」の全文です。


天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、東日本大震災3周年の追悼式がおこなわれるにあたり、謹んで追悼の言葉を申し述べます。

3年前の今日、東日本を襲った大地震と津波により、東日本の国土は破壊され多くの尊い命が失われました。犠牲となられた方々とご遺族のみなさまに改めてお悔やみを申し上げます。そして、被災された方々、また福島での原子力発電所の事故により避難を余儀なくされた方々のお気持ちを思うとき、月並みなお見舞いの言葉を申し上げることすら憚られるのが率直な心境です。

多くの関係者のご努力により、復興に向けた歩みは着実に進んでいます。震災後、被災地の惨状に心を痛めた方々が、被災地を支援するボランティア活動に参加してくださり、多くの今日お見えの諸外国からの温かいご支援をいただいたことは、物心両面で復興の大きな助けとなりました。ご支援をいただいたみなさまに対し、深く感謝申し上げたいと存じます。

一方で、震災から3年が経過し、被災地以外では大震災以前とほぼ変わらぬ日々の暮らしが営まれています。しかし被災地では、仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされている方々もなお多く、震災前の生活を取り戻すことは容易ではありません。特に原子力発電所事故のあった福島県では、住み慣れたふるさとに戻ることができず、今なお、放射性物質による汚染に苦しんでいる方々が多くおられる現状を、私たちは忘れるべきではないでしょう。

そういった方々のことを思うと、電力を湯水のごとく使い、物質的に快適な生活を当然のように送っていた我々一人一人の責任を、全て福島の被災者の方々に負わせてしまったのではないかという気持ちだけは、持ち続けなければなりません。

思えば、私たちの祖先は、自然の恵みである太陽と水のおかげで作物を育て、生命をつないできました。それゆえ、自分たちではどうすることもできない自然への畏敬と、感謝という謙虚さが受け継がれてきたのが、日本人の心根、文化の根底にあったはずです。

科学技術の進歩により、私たちの暮らしは確かに豊かになりましたが、他方で、人間が自然を支配できるという「驕り」が生じたのではないでしょうか。そのことが核兵器による悲劇をうみ、福島の原発事故をうんだのだと思います。

3年目の「3.11」を迎えるに際し、私たち一人一人が電力は無尽蔵に使えるものとの前提に立ったライフスタイルを見直し、反省し、日本人として言行一致の姿勢で、省エネルギーと省電力の暮らしに舵を切らねばなりません。主権者たる国民より、選挙を通じて主権を委ねられている我々国会議員は、被災地の復興に全力で取り組むとともに、震災で得た教訓をもとに、エネルギー政策のあり方について、現実社会を混乱させることなく、将来の脱原発を見据えて議論を尽くして参りたいと存じます。

結びに、震災で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りし、追悼の言葉といたします。

平成26311日 衆議院議長 伊吹文明

※追悼の辞 出展:「ハフィントンポスト」より
 http://www.huffingtonpost.jp/2014/03/11/bunmei-ibuki_n_4945397.html






 

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