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2014年4月 3日 (木)

安全な原発は絶対作れない。そう思ったNHKの番組

原発は、安全性の高いものを作れるかもしれない。

原発に反対のボクでも、ふとそう思うことがある。原子力規制委員会が審査して、電力会社も安全対策を一生懸命やっているからね。

ところが、それがいかに甘い認識だったか思い知らされた番組がある。3月16日に放送されたNHKスペシャル『メルトダウン 放射能“大量放出”の真相』だ。

3年前の原発事故は、大震災と大津波を端に発する「想定外」の連鎖だっと言われている。

巨大津波が来る、という「想定外」

原発の電力施設が浸水する「想定外」

送電線の鉄塔も倒れ、外から電力を送れなくなるという「想定外」

原発を水で冷やせなくなると、あとは逃げる以外に助かる方法はない。のだそうだ。

だから、電力を強化し、防波堤を高くし、電源車を常駐させて「想定外」に対処する。それがあれから3年たった今の安全思想の骨格だ。

でも、他の「想定外」がまだまだある。結局それが3年前の破局へと向かう原因になった。それを教えてくれたのが、NHKスペシャルだ。

あの時、4基あった原発は、炉心を冷ませなくなり内部は高い圧力になった。格納容器の爆発を防ぐため、ベント、つまり容器内の蒸気を外部に放出する操作にはいる。

ところが2号機だけベントができない。NHKの再現ドラマでは、まさに「想定外」の連鎖を映し出していた。

原発の操作室は停電で真っ暗。想定外。

ベントのバルブが停電で使えなくなる。想定外。

停電にそなえて、圧搾空気でバルブを開こうとするが、なぜか圧搾空気のバルブが故障。想定外。

手動で動かそうにも、操作弁のある建物内は強い放射性の蒸気が充満し、中へはいったら命も危ない。想定外。

当の格納容器は圧力が正常で、そんな蒸気が漏れているはずがない。という想定外。

専門家の見立てでは、RCIC(非常用冷却装置)という安全装置のパッキンから漏れた。想定外。

パッキンから漏れても、ポンプで吸い出すよう設計されていたけれど、ポンプの動力は電源。停電で動かない。想定外。

何しろRCICは原発事故が起きたときの安全装置。その安全装置が放射線漏れの原因とは思いもよらない。イコール、想定外。これじゃ危険装置。

やがて核燃料が溶け出して、ドロドロ流れる。でも、格納容器の金属壁には到達していないはず。なのに、格納容器から流れ出る汚染水を発見。封じ込めているハズなのに? 想定外。

格納容器の鉄板は24ミリ。……たったの24ミリが、大災害を防いでいる!?

っていうか、日本の安全はこの24ミリの鉄板が護っているという、なんとも心細い仕組みにビックリ。

その24ミリの鉄板は、近くに流れて来た600度のドロドロ核燃料の熱でゆがみ、外に放射性物質が出ちゃったんだって。想定外。

次は1号機の話。

ベントしても、放射性物質は1000分の1に減らしたものを外部に放出するという仕組み。だから安全。という想定。

ところが、やっと1号機のベントに成功すると(想定通り)、異常に大量の放射性物質が外に出ちゃった(想定外)。

全体の1000分の1パーセントどころか、その量、全体の50パーセント。絶対外に漏らしちゃいけないレベル。想定外どころか、シッチャカメッチャカだ!

ここでちょっと原子炉の構造を想像してみて。カンタンだから。

ドーナツ形の圧力容器の上に、ヒョウタン形の格納容器が乗っている。ヒョウタンには、熱くて危険な燃料棒が入ってる。

ヒョウタンに充満した放射性物質を、ドーナツの中にたまった冷水に通せば、冷やすことで放射性物質が1000分の1になるらしい(想定通りなら)。危険物質の減った蒸気を外に放出する。これがベントの原理だ。

ところが、ヒョウタン内の蒸気が高温になりすぎて、なおかつドーナツの水も熱くなって、50パーセントもの超濃厚物質がベントの時に外に出た(想定外)。

ベントは安全なはずだったのに(想定では)。ボクも、ベントで安全確保!って思っていたよ。ハッハッハ、ボクも知識も想定外ってやつだ。

その時、福島第一原発の正門では、1万2000マイクロシーベルトの激ヤバ状態(想定外!)。

ベントすれば、安全。って言うのは、まったくの誤り。いや、想定外!

さて今日のこのブログでは、想定外って言う言葉がいったいいくつ使われたでしょう? これが想定外の連鎖だ。

もしまた事故がおきたとき、これと同じ通りに進行するとは限らない。むしろ、まったく異なる進行過程を進むと考えたほうが正しいね。

それこそ新たな想定外だ。ごっつい強烈な想定外の連鎖が起こる可能性が大!

このNHKの番組を見て、ボクは心底震えあがったよ。

判ったことがひとつ。それは、ボクらは原発事故に対処できない。ってことだ。

どんなに安全な原発を作っても、倍×倍になって引き起こされる想定外は人間の手に余る。それが今日の結論だ。

しかも歴史がそれを教えている。

スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故、福島事故。

スリーマイルもチェルノブイリも、ネットで事故の様子を読んでみれば判る。どれも想定外が何重にも重なって、大惨事になった。

もう無理、原発。人類が動かすには、危険すぎるシロモノだ。


NHKスペシャルは、ネットで観ることもできるし、「四丁目でCAN蛙」という人が3回にわたってブログに詳細を書きおこしているので、動画はいやだという人はぜひ読んでみよう。

NHKスペシャル メルトダウン 放射能“大量放出”の真相








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