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2014年4月11日 (金)

放射線モニタリング  そのずさんなやりかた

今年の夏には、鹿児島県にある川内(せんだい)原発の再稼働オーケーの判断が、原子力規制委員会からだされるらしいです。

でも原発周辺では、原発災害が起こっても逃げる訓練や、逃がす方策がほとんどできていないそうです。

今の避難計画はこうです。

風に乗って流れてくる放射性物質の予想(SPEEDI)では避難させない(昨日のブログで書きました)。モニタリング、つまり実測でしか避難勧告は出さない。という前提で政府の避難計画は作られています。

今、まさに人が住んでいるこの町のモニタリング機器が、放射線でピーピー鳴り始めた。避難指示はその後です。

つまり人々が被曝してからやっと避難指示が出る。もちろん、ボクらは放射性物質が飛んでいる中を何時間、何十時間とかけて逃げることになる。

これが政府の作成した「安全な避難計画」の正体です。

さて、そのモニタリング。避難の要はモニタリングとなります。つまり、放射線量の計測です。

ところがこのモニタリングもまた、笑っちゃうほどアテにならないシステムです。福島での原発事故では、ほとんど役にたちませんでした。

たとえば福島県の浪江町。原発事故直後の3月15日、計測機器をクルマに積んだモニタリングチームが浪江町で計ると、毎時330マイクロシーベルトという超高線量が出ました。

もちろんその数値を聞いた文部科学省は報道機関に伝え、ネットでも公開しました。

けど、地域名は伏せました。浪江町にも知らせませんでした。あり得ないでショ?

当時、放射線の量を測定する機械を積んだ何台ものクルマが、事故直後の福島県内を走りまわっていたそうです。

でも計った情報は一切地域住民に伝えない。伝えるな、という指示が出ていたそうです。

計測した場所には、その時人が住んでいて、被曝が進行中です。けど、教えない。

その一方で、モニタリング機器も満足に動きません。

たとえば、計測に使った1台3000万円もする専用車。これが汚染されると、もう計測ができなくなります。ひとたび機械が汚染されると、どこで計っても機械自身の汚染数値を拾ってしまうからです。

使い捨ての機械やクルマのほうがいいみたい。中古車でもいいんじゃない? 3000千万のクルマは必要ないようです。

文科省の職員も、あえて放射能の降る汚染地域には行きたがらない。文科省自身が、モニタリングに消極的で他人事だったって言われています。

事故前は、民間のヘリコプターや小型機でのモニタリングも計画されていました。

でも実際に原発が爆発すると、被曝地域を飛んでくれる会社やパイロットはいません。当然ですよね。

そのうち被災地では、ヘンなことが起きはじめます。

福島へモニタリング機器と人員を送り込んだ他県。たとえば、原発が立地する新潟県。

当初は全力でモニタリングをするつもりだったそうです。ところが途中で福島県庁から断られます。ヘンだよね。

どうやら、モニタリングの数値、つまり汚染地帯にある市町村の放射線量は、隠されたふしがある。住民に知らされない。

避難どころか、避難の必要性が隠された。それが福島で起きたことだったようです。

そうやって、役立たないモニタリング機器が多数あったことと、いざ計測できてもそのデータは発表されず、隠されたこと。

その間、住民は放射線を浴び続けたこと。

なぜ、そうなったのか?

いろんな人が、いろいろなことをいうと、住民が混乱する。不確かな情報でパニックになる。だから指示は一カ所(政府・官邸)からしか出さない。

ということで、住民が被曝し続けているさなかでも、すぐ情報をださない、というやりかたで政府・省庁、一丸となっていたワケです。

実際に現地で計測しているモニタリングチームは、ときどき住民に「ここは危険だから」とこっそり教えた人もいたようです。

でもたいがいは、かん口令が敷かれ、数値を教えちゃいけないと指示されていました。住民に聞かれても、ゼッタイ教えない。

自分は被曝が恐いけど、住民の被曝には目をつぶる。そういうモニタリングチームもいたんですね。

改めて考えてみましょう。

原発災害が起こったら、モニタリングの結果で避難指示をだす。そう原子力規制委員は言ってます(4月8日にこのブログで書きました)。

でも、モニタリング結果を、隠そうとした3年前。

もしまた原発災害がおきても、同じことがおこなわれる可能性が大です。

原発立地地域に住む人は、避難計画を立てるのもいいけれど、まずは被曝する覚悟、しておいたほうがいいです。

被曝せず、みんなが逃げるなんて不可能。第一、避難計画自体、被曝してからじゃないと避難できない。っていう仕組みになっているんですから。

それでも原発、動かしたいですか?

※事故直後のモニタリングの様子は『カウントダウン・メルトダウン』(船橋洋一著)の下巻、P253~296を参考に書いています。原発災害の恐ろしさや、原発行政の無能さが描かれた本です。ぜひとも上下巻あわせて読むことをお勧めします。






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